今年選手が使用するキャノンデール、システム6。(左はムーゲルリ、右はポッツァート選手のも) フォーク、ヘッド、トップ、ダウンチューブのフレーム前部の黒い部分がカーボン、シートチューブ、シートステー、チェーンステーがアルミというとてもユニークな構造。カラーリングはリクイガスのライムグリーン。グループはカンパニョーロ、ホイールはフルクラム。ハンドルがFSA、サドルがフィジックと、なかなかかっこいいですね~。
機材に関して僕はド素人なのでこれ以上細かい説明はできないが、個人的にチームがキャノンデール製バイクになるにあたり、興味深いことがあったのでその点について少々。それはフレームのサイズについて。僕が今まで9年間所属していたチームではフレームは各選手の体格に合わせた完全オーダーメイドフレームが供給されていた。オーダーメイドスーツのように1ミリまでにこだわって製作されたフレームは寸法にかなり神経質なプロ選手の要望(わがまま?)に事細かに対応するものであったが、キャノンデールに関してはカタログに出ている8種類のサイズからの選択となる。例えると「吊るしのスーツ」という事になるが、この件に対し選手からどんな反応があるのかとても興味深いところであった。結果から言うと問題は全く無いようだ。メカニックの話によると、2選手がサドル後退幅の広いピラーを使用し、極端にハンドルの低い一人の選手はシナプスというカーボンフレームで対応するが、その他の選手は3種の角度と1センチ刻みのステムを使用し、自転車としてバランスを欠く事も無く、選手希望通りの寸法がでるとの事だ。ただ、実際には100パーセントという事ではなく、特にサドルとハンドル間の位置に関しては、1センチ以内の誤差はどうしても出るとの事。メーカー変更によるハンドル形状の違いや1センチ刻みのステムでは対応しきれない誤差だが、ただ選手の言葉を借りるとそれは「体であわせる範囲」として納得できるものらしい。そこにこだわりを見せていた選手も、結局は時間とともにその誤差を忘れてしまうそうだ。それよりもトラディショナルなアルミフレームから最新のアメリカンテクノロジーに乗り換える事にメリットを感じると言う。僕も「自転車選手の機材による障害、その影響」なるテーマを仕事柄考えることは多いが、そのなかでもプロ選手が自転車のポジションについて神経質なほどに気を使っていることは十重に承知。だが大切な数項目(BB-サドル間、シューズ、クリート位置等)を除けば、自転車競技の機材とは意外とアバウトなものなのかもしれない。たかが自転車されど自転車といったところか・・。
さて、自転車の「乗り味」に関して選手の声を紹介すると、。まず「凄い剛性の高さ」を言う選手が多い(特に高速の下りで感じるらしい)、そして面白いのは長距離を乗っても「快適で疲れにくい」という声も多いことだ。両者は相反することだし、また選手のフィーリングのことなので正直僕もよく分からないが興味深い。某選手によるとフレームの前半分がカーボン、後ろがアルミといったユニークな構造も大いに関係しているだろうとのこと。あと「軽さ」。いずれにせよ良い機材を使うことは選手にとって心強いだろう。最後に自転車管理を統括するシレーア監督やメカニックの話だが、フレームがスペシャルパーツから普通の部品として扱えるようになったことで、これが供給や管理の時間節約と効率アップにつながり、大幅に仕事の負担が減ったそうだ。このような事は裏で現場を支えるスタッフにとってとても大切な事だと思う。

こちらはTTバイクのSIX13 SLICE、右はサドル後退幅を測るチーフメカニックのベルト



